本展企画設計者紹介

椛田 有理 (かばた ゆうり)
1982年生まれ
本展覧会の企画設計者。2009年から展示企画設計の活動を始める。2011年に震災により中断するが、5年後2016年、機会を得て再開。

 

「 空き家を活用するアートプロジェクトは今やそこここで散見される。北参道オルタナティヴもまたそうしたプロジェクトと同じく、場を与えられたことからスタートした。北参道駅から程近くにある緑で覆われた古い建物に、初めて足を踏み入れたのは、まだ残暑厳しい九月のこと。鍵を受け取った頃には十月も半ばにさしかかっていた。 
 企画が走り出したのはそれからだ。
 こんな展示を見てみたい。展覧会を企画する醍醐味は、案外単純なところにある。準備期間は無いに等しかったが、十人もの作家が快く引き受けてくれた。建物の改修を進めながら個別に作家と展示を練る。

最後の作家との打ち合わせが終った時には十一月も下旬に入り、すっかりと冬の様相を呈していた。
 本展は建物の物理的制約から生まれたアイディアをもとに構成している。アイディアに形を持たせるにあたり多くの助けを受けたが、作家の尽力に依るところ大きい。無理難題とも言える提案を真摯に検討してくれた作家達に感謝したい。その甲斐あって、誰よりもまず自分自身が見てみたくて待ち遠しい。そんな展示に仕上がった。
 十二月。寒さも一段と厳しくなるなか展覧会は開催される。ほんの二ヶ月も前にはがらんどうだった建物は、アートに塗り替えられる。」



  
   

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